六価クロム

有害な六価クロム

地盤改良の現場

【セメント系の地盤改良】

セメント系の地盤改良を行った場合、六価クロムが発生するリスクがあります。 六価クロムは人体に重大な影響を及ぼす可能性のある物質です。 一戸建てのマイホームでは、庭で子供がペットと遊んだり家庭菜園を行ったりするでしょう。 頑張って手に入れたマイホームで健康を害する可能性が少しでもあるのは嫌なものです。そのためにもしっかり調査してくれる会社を選びましょう。 ですがセメント系の地盤改良を行った場合、間違いなく六価クロムが発生するということではありません。 六価クロムのやっかいな点は、その発生メカニズムが完全に解明されていないことです。 地盤改良を行いたいけどセメント系だとひょっとしたら六価クロムが発生してしまうかもしれない、と悩むことになるのです。 セメント系の地盤改良工事を行う場合は住宅会社に相談してしっかり検討しましょう。

【資産価値を下げる】

地方では廃業したまま放置されたガソリンスタンドを目にすることもあります。 ガソリンスタンド跡地は地下タンクによって土壌汚染されている場合が多く、その汚染除去の費用が高額になるためなかなか次の利用に繋がらないのです。 その土地を買っても割に合わないため、売れにくく放置されてしまうのです。 2003年に明文化された土地評価に関する方針でも、土地の鑑定時に土壌汚染や埋設物の有無をチェックし、もし発見された場合は土壌汚染の浄化費用や埋設物の撤去費用を差し引いて 不動産の価値が算定されることになっています。 ここではセメントや鋼管は産業廃棄物とみなされてしまうので、セメント系や鋼管で地盤改良を行った場合は不動産価値を下げることになるのです。 将来的に不動産を売るときのことを考えると土地は大切な財産となります。

【地盤改良でも地盤事故】

たとえ地盤改良・補強をしても地盤事故が発生してしまうケースもあります。 事前調査による想定設計では支持地盤まで到達しておらずそのまま施工がされていたり、セメント系固化材と腐植土との相性でセメントがうまく固まらなかったり、 地下水脈によってセメントが流出したりといったトラブルが起こることもあります。 トラブルが起こった場合の損害額は平均で約550万円の補修費用が発生します。 トラブルで多いのは雨漏り、外壁や内壁の亀裂、建物の傾斜、ドアや窓が閉まりにくいなどで、これは不同沈下によるものと考えられます。 住宅品質確保促進法が施行されてからは地盤事故に対する補償制度が確立され、その実態が明らかになってきました。